イースト・ランブルック・マナー East Lambrook Manor Garden
イースト・ランブルック・マナーは10年ぶりの訪問となる。
結論から言って、雨の後であることを差し引いても、10年前より明らかに荒れている。
幸い雨は上がったが、パーキングの水溜りを避けながら受付に行くと、先客は日本人女性の一人旅のようだ。「こんにちは」と声を掛けたが、
余り反応は良くない。挨拶もそこそこにガーデンに出てしまった。受付の男性は日本人旅行者同士の出会いに驚いた様子だ。
ガーデンに出でると、何やら日本語がボソボソと聞こえる。何事かと思ったら。先ほどの女性が携帯で話しているのだ。
電車内での携帯と同じくガーデン内での携帯も歓迎しがたいものがある。
このガーデンはガーデナーであり、ガーデニング・ライターでもあるマージェリー ・フィッシュ(Margery Fish)によって1938年から69年まで造られ
コテージ・ガーデンだ。1940年代から60年代に掛け"Home of English Cottage Gardening"と謳われ、時のイギリスのガーデニングに大きな影響を与えたという。
従来の花と現代の珍しい花を取り入れ、色彩・質感・形・香りに着眼して一年中花が咲く植栽のインフォーマル・ガーデンを提唱したようだ。
そして、第二次大戦後の労働力不足の中で、庭師を雇うのではなく、自らの手で庭造りをしたのだ。交配をし、種を取り、種まきをし広げていく。
軽石を積み壁を築き(写真上右から2枚目)、石を敷き通路を通す(写真上右)。また、手入れの手間を減らせる植栽計画も研究したという。(その考え方や良し)
そんな家庭的規模(Domestic Scale)なコテージ・ガーデンが市民ガーデナーに受け入れられたということだろう。
ハウスは15世紀のマナーハウスというがそこまでの豪壮さはない。樹木、潅木、宿根草、球根を主体にした植栽で、手間を省く工夫をしている様子が分かる。
銀葉の植物中心の"Silver Garden"が美しい(写真上中2枚、下右2枚)。"White Garden"も爽やかな印象だ(写真上右)。
マージェリーの夫ウォルター(Walter)は彼女のインフォーマルなガーデンよりフォーマルで華やかなガーデンを好んだらしい。私もウォルターの好みを指示する。
実際に彼女がインフォーマルなガーデン造りに邁進したのはウォルターの死後だったようだ。また、このガーデンにはオーナメントの類も少ない。
写真下右のサンダイアルが唯一見つかったものだ。その点でも私の好みと一致しない。
Address | East Lambrook, South Petherton, Somerset TA13 5HH |
Telephone | 01460 240328 |
Web Site | East Lambrook Manor Garden |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。